WB工法について
WB工法とは?
W=ダブルの通気層
B=ビルダー&ブレス(呼吸)

日本は一年を通して高い湿度、世界有数の降水量、夏と冬の著しい温度差という、建築物に とってきわめて厳しい条件下にあります。 この特有の風土の中で、日本建築は世界的にも類 のないほど質の高い技術を育んできたのです。日本を代表する木造建築「法隆寺」を思い出 してください。1300年もの長い間、風雪に耐え、今も美しい姿を見せています。 当時の 匠人は日本の気候風土を熟知し、自然に逆らうことなく自然と共に生きる術を身につけてい たのでしょう。木の性質を知り尽くし、適材適所の配置する技を持った匠人。 このような日 本建築ならではの技術には、現代住宅の目指す健康・省エネ・高耐久の知恵やヒントがあふ れています。「通気断熱WB工法」は、日本の伝統と最新の技術を組み合わせた、進化した在 来工法といえるのです。


「木は生きている」
自然の恵みを生かすのが、日本建築の第一の特徴です。木を使っても、その周りを合板パネ ルやビニールなどで覆ってしまえば、木は全く呼吸することが出来ません。 その結果、結露 は家中にこもった湿気による蒸れ腐れという現象を引き起こしてしまいます。さらに、家の 寿命までも縮めてしまうのです。木は強いもので、 多少濡れても通気が良く呼吸ができれば、 蒸れ腐れすることはありません。 「通気断熱WB工法」は家を人が住む容器と考えるのではな く、家を人と同じ生き物として考えているのです。

調湿機能

「呼吸で命を守る」
人間は、気管支呼吸と皮膚呼吸をし、多くの水分を発散して生きています。日本の気候は湿 気が多いうえに、家の中を考えてみると、洗濯やお風呂、炊事など生活の中からも水分が放 出されています。4人家族の場合、1日に約6リットルの水分が放出されており、家の中は 湿気がいっぱいです。これらの水分をいかに外に放出するかが、家づくりの重大な課題なの です。そのためには家自体が呼吸する事が必要になってきます。人が生活する家は、壁が湿 気を吸い(つまり皮膚呼吸)、木材に適度なうるおいを与え、余分な湿気を家の外に排出す る(つまり気管支呼吸)ことが、絶対不可欠な条件です。排出するのは湿気ばかりではあり ません。こもりやすい臭いや科学物質も一緒に放出します。ところが、「皮膚呼吸」と「気 管支呼吸」ができない家は、いわば人間が汗を吸湿しない素材の服を着て、そのうえに全身 ビニールの袋をかぶったような状態と一緒です。息苦しく、中はびしょびしょ。クーラーや 換気扇など電気や機械の力を借りて、応急処置をしているに過ぎないのです。「通気断熱WB 工法」が目指したのは、息をする家です。と言っても、すき間風が入るという意味ではあり ません。WB工法の第一のポイントが、皮膚呼吸をつかさどる壁材に吸湿材を採用すること。 第二のポイントは、部屋の壁と断熱材の間に気管支呼吸のための通気層を設けること。室内 で発生した余分な湿気は壁を通し、通気層へ排出され、家の外に抜けていく構造です。 つまり、常に穏やかな換気をしている状態になり、有害な科学物質対策や結露対策にも極めて有 効という研究結果も明らかになっています。WB工法は、湿気や化学物質などが室内にこもら ない、まさに健康を守る家と言う事が出来るのです。

「快適なメカニズム」
私たち人間は、寒くなれば重ね着をし、厚くなれば薄着になることで、寒さをコントロール しています。冬の寒い日は、セーターやコートなどを重ね、空気の保温層を何層も作ること で暖かさを保ちます。夏の暑い日には、衣類を脱ぎ風通しを良くする事で暑さをしのぎます。 このように私たちが自然に行っている生活の知恵を家づくりに応用し、室内の温度と湿度を 調整することによって、快適な住まい環境を作り出すのが「通気断熱WB工法」です。

衣類の着脱に該当するのが、WB工法の特許技術である「形状記憶式自動開閉装置」(特許) です。これは、一度変形しても温度を加えることにより元の形状に戻るという形状記憶合金 の特性を利用した装置で、温度を感知することにより換気口を自動的に開閉するというもの 。夏の暑い日には換気口に設置した形状記憶式自動開閉装置が開き、人が衣類を脱いだ状態 になります。つまり、壁の中の通気層が冷却層の働きをし、部屋の中は外温度に直接暖めら れずに、涼しさを保つという仕組みです。また、冬の寒い日には換気口が自動的に閉まり、 人が重ね着した状態に。壁の中の通気層保温層になり、部屋は外の冷気の影響を直接受けず 暖かさを保ちます。「形状記憶式自動開閉装置」は、屋根の棟に取り付けられるハットヘル ス、軒のルーフヘルス、壁内通気層のバリアヘルス、床下のアンダーヘルスなど、通気の閉 鎖と開放を実現するために、極めて細かく配置されています。 このようにWB工法は、「形状記憶式自動開閉装置」が通気層を制御することによって、家に セーターを着せたり脱がせたりする状態を自然に作るシステムなのです。

ヘルスコート

「省エネ」
従来、住宅の省エネルギーといえば、一度暖めた空気や冷やした空気を逃がさず閉じ込める ことが最善の方法とされてきました。そのため、機械換気が必要になり、電気代が余計にか かってしまい、また換気装置のメンテナンス料も加わってしまい、決して省エネとはいえま せん。WB工法は「形状記憶式自動開閉装置」が自然の熱を感知し、自動的に開閉して通気層 を冬は保温層に、夏は冷却層にしてくれるのが基本のメカニズムなのです。つまり、通気層 によって断熱効果を生み出すわけです。 そしてWB工法には、もう一つの重要なポイントが あります。家中に効果を及ぼす室内対流扇と、各部屋に効果のある室内空気循環装置「省エ ネ君ヨドマーズ」(特許)です。WB工法の補完的な装置で、室内の空気を穏やかに対流させ て、空気のよどみや床と天井の温度差を解消し、省エネを実現します。一般的に暖かい空気 は上に上がり、冷たい空気は下に下がります。天井付近と床ではかなりの温度差が生じ、暖 房時に足元が寒い、冷房時には足元だけが冷えすぎてしまうような経験はどなたにもあるこ とでしょう。「省エネ君ヨドマーズ」は、天井部より壁に沿って気流を発生させ、床部の空 気を吸い上げ、穏やかな対流を起こさせます。これにより、天井付近と床付近の温度差が解 消され、部屋の隅々まで空気を対流させる仕組みです。光熱費の削減ばかりか、よどんだ空 気がなくなり、結露、カビなどを抑える効果も実証されています。一般の対流装置のように 風を直接感じることもなく、また風音もありません。chなみに消費電力は、弱回転で1日 わずか8円程度。クリーンな空気で、快適な温度を保つ、「通気断熱WB工法」だから可能に なるのです。